天使への判決

嫌な感じだ。


思い出せそうで思い出す事ができない。


私はその男の存在が気になりながら、ミキ姉ちゃんの待っているベンチに足を運ぶ。



病院にはたくさんの人達が出入りする。

私の過去の男関係を考えると、知り合いの一人や二人偶然出逢っても別に不思議な事ではない。


半ば思い出す事を諦めた私は、バックから携帯を取り出して、送信画面を開いた。


【その日はユウコと食事に行く約束をしてます。もし、専務さえ良ければ、ご一緒させて下さい。】

送信。

要点だけの短いメール。


遠回しな表現かも知れないが、勘のいい専務はすぐに気が付くだろう…



プライベートの時、専務と二人っきりで会うつもりはない。



そして私はすぐに、ユウコにメールを送った。

【専務が今週の土曜日、飲みに行こうって(^o^)
私は今のところ大丈夫だけど、ユウコはどう?】

これで良し。


専務の事となるとユウコは目がハートだ。

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