天使への判決
「松山、さっきの高山のプレゼンどう思った?」
意表をついた永瀬の質問に私は一瞬、たじろいだ。
いや、質問にというより、私を見つめる眼差しにというべきか…
「あ、…えっと…私なんかが偉そうに言ってよろしいのですか?」
思わず言葉を詰まらせる。
「ああ、ぜひ聞かせてくれ」
永瀬は座り直して私の眼をさらに真っ直ぐ見据えた。
「…まず、聞かせる事が出来てないですね。
プレゼンのクオリティはさておき、人に興味を持たせる事ができないとコンペに勝つ事はできないと思います。
それと、あのコピーでは商品のPRに繋がらないと思います。」
永瀬はただ頷きながら私の話を聞いていた。
私なんかに聞かなくてもこんな事、専務だったら判ってるだろうに…
私は永瀬が私をここに呼んだ意図を探るように彼の目を見つめ返した。