天使への判決

しばらくして、ユウコはテーブルにうつ伏せるような形で眠ってしまった。

専務は軽くため息を吐いて、寝息をたてるユウコに目をやる。


「佐伯ってこんなに酒癖悪かったのか?」


「いや…私もこんなユウコは初めてですね。」


普段二人で飲みに行っても、私の方が先に酔ってしまう。

今日のユウコの醜態はまるで別人のようだ。


「こりゃあ、酒で失敗するタイプだな…」


うん。言えてる。

「きっと何かあったんだと思います。」


ユウコは人の噂は大好きなくせに、自分の事となると、自分からはあまり話そうとしない。

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