天使への判決
「専務、聞きたい事があるんですが…」
私はユウコが酔いつぶれ眠っている姿を横目で確認した。
「ん?何だ?畏まって。」
「あの…
ピュアリスが脱税してるって噂は本当ですか?」
タイミングがあれば、今日この場で全て聞こうと思っていた。
どういう風に切り出そうかと悩んでもいたが、回りくどい聞き方は性に合わない。
「はあ!?」
私の唐突な質問に、専務の表情はみるみる硬直していく。
「お前……どこでそんな事聞いたんだ?」
声を殺すようにして、身を乗り出す専務。
動揺しているのが手に取るように分かる。
「ちょっと噂を聞いてしまいまして…」
専務は、額に手を当てて考えるような仕草をした後、私の目をじっと見据えた。