天使への判決
「ピュアリスは暴力団と繋がっているってことですか?」
中山組との繋がりを聞き出そうと思い、専務の顔色を伺った。
「以前はな……。
でも、今は完全に縁が切れている。」
「専務は加担されてないですよね。」
やはり、シュウイチさんやケンジの言葉を完全に信じる事はできない。
シュウイチさんの話は、妙に信憑性のある内容だったが、心の奥では専務を信じたかった。
「何を言ってるんだ。そんな訳ないだろ?
お前は何を根拠にそんな事を言っているんだ?」
苦笑して腕組みする専務。
「だって、コンペの話してた時も、『得策がある』って言ってたし…。
脱税をネタにして、ピュアリスに付け入ったのかと……。」
「はぁ…。」
専務は、大きなため息をついて、長い髪の毛を無造作にかきあげた。