天使への判決
それからしばらくして、カツノリは結局、俺に一言もないまま東京へ帰って行った。
いや、正確に言うと、俺自身がその話題を避け、言葉をはぐらかしていたのだ。
もどかしい気持ちでいっぱいだった…
カツノリをぶん殴れば、このモヤモヤがきっとすっきりするに違いない。
思い立ったら行動が速いのが、俺自身のいいところだ。
しかし、カツノリの新しい住所は知らなかった。
しかも携帯番号はムカついて、アドレス帳から削除していた。
俺はほとんど無計画のままバイクに跨がると、エンジンをかける。
東京は人が多い。
簡単には見つからないかもな…
カツノリを探す手がかりは一つだけ…
以前、アイツが所属していたという族のチーム名。
『レッド…スピード…』