天使への判決
「カッちゃん!!」
ロン毛の叫び声がアパートに響き渡った。
「どうした!?」
ロン毛を押し退けて、小窓から中を覗き込む。
キッチンの奥に6畳ほどの畳敷きの和室が見えた。
嵐にでもあったかのように部屋は散乱し、襖の至るところが破れている。
その奥にカツノリらしい横顔が見えた。
倒れたまま身動きひとつとらない…
な…
緊張感が一気に高まり、冷たいものが背筋を伝った。
「開いてる!」
俺が動くより先に、ロン毛は玄関のドアを開けると、部屋の中に飛び込んだ。
続いて俺も駆け込む。
「カツノリ!!」
横になり背中を向けたカツノリの元へ靴のまま駆け寄った。
「ひ…ひでぇ…」
俺は今でも忘れない…
あの時のカツノリの顔を…
俺から親友を奪った、
『奴ら』への、
恨みを……