天使への判決
―翌日―
カツノリの通夜が都内の葬儀場でしめやかに行われた。
レッドスピードの仲間であろう…
次々に訪れる弔問客。
そして泣き崩れる人々…
カツノリの人望の厚さを心底感じる。
会場に入ると、カツノリの棺の側に立ち尽くす少女に気づいた。
まだ幼さを残すが、すらっとした美しい容姿―。
高校生くらいだろうか…
その場からピクリともせず、棺の中のカツノリに目を落としている。
しばらくして、彼女はその場に崩れるようにして座り込んだ。
「いっ…いやああああああ!!!!カッちゃん…!!カッちゃん!!」
彼女の叫ぶ声が静かな会場内に響き渡った。
「カッちゃん…!!カッちゃん!!」
決して答えることのないカツノリの名前を、何度も何度も連呼する少女。
その声に呼応するのは参列者のむせび泣く声だけ。
「あれ、彼女だろ?可哀想に…」
「結婚するって言ってたよ…」
周りの囁く声が聞こえてきた。