天使への判決
俺は式の間も終止、涙を堪えた。
絶対泣かないと決めていたんだ。
遺影のカツノリは笑顔だったから、俺も笑顔で見送ることにした。
カツノリ、ごめんな。
明日の葬儀には出ねえことにした。
お前を見送るのは認めたくねえ。
それに葬儀にでると心が折れちまう。
帰り際、俺は酷い傷を負ったカツノリの頬に軽く手を触れた。
アパートで目にした、血だらけの顔がフラッシュバックする。
あの時、お前の話をちゃんと聞いていれば何か変わっていただろうか…?
俺がもう少し早く来ていれば何か変わっていただろうか…?
カツノリ…
約束するよ。
待っててくれ。
お前の苦しみ。
彼女の苦しみ。
そして俺自身の胸の痛み。
全てを綺麗に拭ってやる。
必ず敵を取ってやる…
棺の中のカツノリに誓うと、斎場を後にした。