天使への判決


「って、お前、そんなあてがあるのかよ…

金を積まなきゃいけないようなのは勘弁だからな…」


俺が鼻で笑うと、ロン毛は躊躇いがちに言った。


「俺の兄貴にお願いするから…」




「何だ?はっきり言えよ!?

お前の兄ちゃんってヤクザなのか?」


俺は、奥歯にものが詰まったように話すロン毛に対して、次第にイライラしてきた。



「違げえよ!!
兄貴は盃を交わしたアニキ!
俺も組の人間なの!」




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