天使への判決
俺はヨウスケの紹介で、江藤会の舎弟頭とやらに会うことになった。
正直、ホッとしていた。
ヨウスケの言うとおり、度外一人で乱舞を潰してヤクザの事務所に乗り込むなんて、機関銃でも持たない限り、命をみすみす投げ出すようなものだ。
「ナオキ、お前言葉使いには十分に注意しろよ。
ケンジさんはキレたら何をするか分からん。
お前の変な敬語のせいで、こっちまでとばっちりが来ちゃたまらんからな…」
「ああ、大丈夫だって。俺はこう見えて、敬語三段なんだよ!」
ケッ…
たかがヤクザ一人に何でビビらないといけねぇんだよ。
ヨウスケが運転する白いベンツは、繁華街そばの路地へとゆっくり進入する。
次第にコンクリートと鉄格子に覆われた低層のビルが見えてきた。
「でけぇ事務所だな…」
「ああ、江藤会は都内でもかなりの規模だからな。」