天使への判決
俺はヨウスケの後をついて行くようにして、事務所の中に入っていった。
一階の奥の部屋に案内され、応接スペースに通される。
事務所の中には机が規則正しく配置され、その上にはパソコン。
そして山積みされた書類…。
数人がデスクで電話をかけながら何かしら仕事をしている風だ。
なんかちょっと印象が違うよなあ…
俺のイメージだと、こう、何ていうか、日本刀とか綺麗に飾ってあって、掛軸やら壺やら高級品が並んでいて…
俺が落ち着きなくキョロキョロしていると、ヨウスケが一人の男を連れて戻ってきた。
慌てて立ち上がり、お辞儀をする。
きつね色の短髪、スーツ姿で身を固め、厳つい風貌をしているが、身長が低く迫力に欠ける。
ヤクザっていっても、大して強くなさそうだな…
それが俺の第一印象だった。
俺と視線が会うなり、男は目尻を下げて優しい笑みを見せた。