天使への判決
「警察の捜査が進めば、鳴水組にも乱舞にも復讐できなくなるって事っスね。」
「…ああ、簡単に言うとそういうことだな。」
「だからその前に組ごとぶっ潰して、手を下した野郎を殺すと…」
俺がそう言うと、堅二さんは険しい表情で眉間にシワを寄せた。
「おい、気持ちは分かるが、一人で勝手な妄想に浸るんじゃねぇぞ。
俺達は鳴水に殴り込みに行くなんて一言も言ってねえだろ?
あくまで話し合いに行くんだよ。」
「はぁ…?」
俺はキョトンとしてヨウスケに目をやった。
何も言わず、視線を泳がせるヨウスケ。
「話し合い……?」
「ああ、そうだ。
確かにヨウスケのダチをこんな目に遇わせた事は許せねえ。
しかもガキのいざこざに介入しやがって…
罪は必ず償ってもらう。
だが、俺達はヒットマンじゃねえんだ。解るな?」