天使への判決
「なんだ…殺ってくれないんスか?」
俺は、前かがみの体勢で身を乗り出し、堅二さんに詰め寄った。
チンタラやってられっかよ…
「こら!!ナオキてめぇ!!それが人にものを頼む態度か!
身の程をわきまえろ!!」
すぐさま、ヨウスケが長い髪を振り乱して突っかかってくる。
「はあ!?
身の程をわきまえろって、てめぇは武士か?
だいたい、ロン毛…てめぇこそヤクザのくせにチャラチャラしやがって。しかもカツノリの死を誰よりも悲しんでいるくせに…
身の程をわきまえてないのはてめぇじゃねえのか?」
「何だと?コラァ!
調子づいてんじゃねぇぞ!!」
ヨウスケが胸ぐらを掴んできた。
「おっ!?シャバ憎の癖に、自分の城に入るとえらい威勢がいいじゃねえか。オカマ野郎。」
「貴様…!」
「ヨウスケ!!」
俺に殴りかかろうとしたヨウスケの腕を堅二さんが押さえつけた。