天使への判決
俺が握りこぶしを握るより早く、テーブルの上にあったガラス製の灰皿が、組長の頭めがけて振り下ろされた。
ガッ!!
鈍い音がするのとほぼ同時、あっと言う間に赤い鮮血が絨毯を染める。
け…堅二さん…
「あぁぁ…うおぉ……」
声にならない呻き声を発する組長。
俺は目の前でいきなり起きた出来事に呆気にとられていた。
「いでえ…!
いでえ…!
てめえ…な…何をしやがんだ…」
「お前さ、昔、俺に何したか覚えてねえの?絶対、頭悪ぃよな?」
堅二さんは、床に這いつくばる組長の首根っこを掴むと自らの顔の位置まで引き上げた。
同時に数名の組員が駆けつける。
「何やってんだ!!てめぇ!!」
げっ!!
これってヤバくねえか?
人数からしてどう見ても不利だし!