天使への判決
「リ…サ…」
「リサ…!」
私は慌てて顔を上げた。
つい、ウトウトと眠ってしまったようだ。
「ああ…ユウコ。どうしたの?」
ようやく連日の撮影から解放され、緊張の糸が切れてしまっている私。
そんな姿を見兼ねてか、頬を膨らませながらユウコが軽く睨んだ。
「どうしたの?じゃないわよ!さっきから請求書の入力全然進んでないじゃない。」
ユウコはそう言いながら、私の寝ぼけた顔を真似して目を細く歪めて眉毛を上げる。
ん?…ああ…そうだった。
「もう、嫌だからね!私だって残業したくないんだから。
最近、リサのとばっちりばっかり…専務も専務よ。リサをモデルにしたいなら総務を一人増やすとかちょっとは考えてほしいもんだわ!」
ぷっ…フグみたい…
私は笑いを堪えながら、顔を赤らめるユウコにペコリと頭を下げる。
「ごめんねユウコ…ここ最近、寝不足なの。」