天使への判決

「名前、何て言うんだ?」


俺の問いに、女が名刺を差し出す。


「リサ?」

「はい…」


「本名は?」

「同じです」


「珍しいな。でもイイ名前だ。」



「ヤクザさんの名前は?」
リサは俺がオーダーしたフルーツを口に含んだまま、ぶっきらぼうに聞いてきた。


俺は苦笑いをして、フルーツに手を伸ばす。


「ケンジだ。木山堅二。

源氏名は遊び人のケンさんだ。」



リサの顔が少しだけ微笑む。



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