天使への判決
「店に手伝いに来るのは週末だけです。」
「へえ〜。週末って事は金曜日と土曜日?」
「基本はそうだけど、昼の仕事が残業になったら休む事もありますね。」
「昼の仕事は忙しいのか?」
「いや、事務なんで忙しくはないですけど、たまに製作の手伝いをするもんで…」
「製作?」
「ええ、広告代理店なんです。」
「ああ、なるほど」
俺はリサと話していて、ガードが以外と低いことに驚いた。
さっきの出来事といい、思った事や聞かれた事は素直に口にするタイプのようだ。
「リサ、手ぇ出してみ?」
俺はリサの手をとり、その手のひらを指先でなぞる。
「いいか、ここが運命線だ。」
リサの目と手のひらを交互に見つめながら話す。