天使への判決
「ちょっと〜堅二さ〜ん。何、二人の世界に入っているんですか〜」
既に酒が回って、出来上がっている弟分のナオキが、俺とリサの間に割り込んできた。
「堅二さ〜ん、あの女達堕としたいんで、戻って来て下さいよ〜」
ナオキが俺の肩に手を回した。
「…っとに、テメェは酒癖が悪ぃよなあ。」
少しイラつきながら、ナオキの手を振り払おうと
振り向いた時だった。
店の入口のドアが開き、さっきリサと揉めていた中山組のチンピラが、仲間を数人引き連れて入って来た。
その目線は真っすぐ俺に向けられていた。
嫌な顔だな…
俺はそいつらの眼光を無視して、飲みかけのウイスキーを口に含む。