天使への判決

「ちょっと〜堅二さ〜ん。何、二人の世界に入っているんですか〜」


既に酒が回って、出来上がっている弟分のナオキが、俺とリサの間に割り込んできた。


「堅二さ〜ん、あの女達堕としたいんで、戻って来て下さいよ〜」


ナオキが俺の肩に手を回した。


「…っとに、テメェは酒癖が悪ぃよなあ。」


少しイラつきながら、ナオキの手を振り払おうと
振り向いた時だった。



店の入口のドアが開き、さっきリサと揉めていた中山組のチンピラが、仲間を数人引き連れて入って来た。


その目線は真っすぐ俺に向けられていた。


嫌な顔だな…


俺はそいつらの眼光を無視して、飲みかけのウイスキーを口に含む。
< 47 / 328 >

この作品をシェア

pagetop