天使への判決
ガツッ!!
アスファルトに鮮血がほとばしる。
俺はがっくりとうなだれるチンピラの髪の毛を掴み、顔を起こすと、更に顔面に蹴りを入れた。
既に後の二人は逃げ出していた。
「逃げ出すようなダサイ仲間なんか、連れてくんじゃねえよ…」
いい加減、手が痛くなって来たのだが、
いくら殴っても、気持ちは収まる事を知らない。
楽しい時間を邪魔されて、俺の苛立ちは頂点に達していた。
「こら、誰が寝ていいっつった。」
俺は俯せるチンピラを立たせ、頬を平手で叩き続ける。
「おい、俺の人生の貴重な時間、返してくれよ〜」
目の前のチンピラの顔を覗き込んだ時だった。
ザクッ
背中に妙な熱さを感じた。
ん?
なんだ?
振り返るとそこには、さっき逃げ出したはずの男の一人がいた。
手に持っているのは、ドス…か…
ドスからは、血が滴り落ちていた。
ん…?
こいつ…
誰か…刺した…のか…?