天使への判決
「お前が大怪我負ったっちゅうのに、不謹慎やと思うけどな…」
シュウイチさんが事情を話し始めた。
「中山組から企業の裏情報をいくつかもろうたわ。」
シュウイチさんは、余程嬉しいのか、話しながらニコニコしている。
「上手く使えば、数千万はかたいで。
まあ、詫び料ってやつやな。」
企業情報が、詫び料…?
俺の傷口が途端に疼きを増していく。
確かに、俺は無意味なケンカで組に迷惑をかけたのかもしれない。
落としかけた俺の命は、俺の知らない所で、数千万円の値が付けられ、売買されていたのだ。