天使への判決


ブルーの表紙の分厚いファイル。


一冊には【株式会社久山精機】と書かれてある。

よく知らないが、金属加工の会社だろう。


そして、もう一冊のファイルの表紙を見て、俺は驚きを隠せずにいた。


【株式会社ピュアリス】



そこには全国的にも有名な、大手化粧品会社の名前が記載されていた。



「シュウイチさん…これ…」


俺はブルーのファイルを手にしたまま、シュウイチさんの顔に目をやった。


「おお、俺もざっと読んだけどな…

数億円の脱税や。」


「マスコミに売る前に、しっかり脅しとれや。」


シュウイチさんは、俺の肩を軽く叩くと、

「まあ頑張りや」


そう言って、皆と病室を後にした。



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