天使への判決
「向日葵って、子供っぽいかなあって思ったんですけど、大丈夫でした?」
リサはそう言うと、椅子から立ち上がり、窓際に向かう。
そして、一本の向日葵が挿された花瓶を持って、水道の手洗い場に持って行った。
「ああ…好きだよ」
リサは手際良く花瓶の水を換えると、新しく持ってきた向日葵を一本ずつ入れていく。
「でも、リサが向日葵って、ちょっと意外だな」
「えっ?どうして?」
「リサはどちらかと言うと薔薇のイメージかな?
美しく、刺があるから…」
俺が笑いながらそう言うと、リサも振り返って笑顔を見せた。
「違いますよ。
私のイメージじゃなくて、木山さんのイメージで選んだんです」
「俺のイメージ…?」
「木山さんって、周りを明るく包み込むような、温かい印象だったんです」
「俺が…温かい…?」
リサの言った言葉にドキッとした。