天使への判決
「お!具合良さそうじゃねぇか!」
そう言いながらこっちへ歩いて来た男を、俺は鋭い視線で睨みつける。
こいつはどういう神経でここへノコノコやって来たんだ?
「まあ、そんな顔すんなや…」
そして図々しくも、リサの横の椅子にドカッと腰を下ろした。
「おお!綺麗なお姉ちゃんだな!
堅二の女か?」
男はそう言ってリサの顔をマジマジと覗き込み、小指を立てる。
「テメェ!」
俺は病院中に聞こえるくらいの大声を上げて、起き上がろうとした。
ウッ…
背中に激痛が走る。
「こらこら、無理すんじゃねぇよ」
男はそう言ってニコッと笑った。