天使への判決
5.愛する女
それからというもの、リサは毎日のように俺の病室にやって来た。
リサの会社がこの病院から近いという事もあり、リサがやって来るのは、決まって昼休みの時間帯。
俺はこの数十分の時間が大好きだ。
リサは俺の病室にやってきては、向日葵の花瓶の水を換え、俺とたわいもない話をする。
そして二人で笑う。
俺はナオキやヨウスケの事を面白おかしく話した。
リサは会社の事や親友の「ユウコ」という女の事を話していた。
最近の好きな芸人の話をすると、不思議と趣味がピッタリだった。
そして、リサにますます惹かれていく俺がいた。
だが、二人の間には大きな壁が二つある。
ひとつは住む世界の違い。
もうひとつはお互いに口から出る事のない、
過去の事…