天使への判決
「プッ…」
ヨウスケが顔を真っ赤にして吹出した。
「堅二さんが一人の女に夢中になるなんて、考えられねえっすよ。」
バシッ!
笑い続けるヨウスケの頭を、俺は履いていたスリッパで思いっきり叩いた。
「テメェは俺の純粋な恋路を笑いものにするのか!?」
頭を押さえ、尚も笑い続けるヨウスケ。
「イヤ、マジであり得ねえっすよ。だって『女喰いの堅二』って、俺らの中では神様のような存在なんですから。」
ヨウスケは笑い続けて目に涙を浮かべている。
「っとに…
お前に話した俺がバカだったよ」
俺は立ち上がり窓を開けると、タバコに火を点けた。
病室から見える公園の噴水の前には、二人で寄り添う何組ものカップルがいる。