天使への判決
確かにヨウスケの言うように、俺の周りには一晩だけ過ごす女が数えきれない。
しかし恋愛感情を持つほどの気持ちに至った事はなかった。
女がそれらしい感情を抱いた時、俺は女との連絡を途絶えるようにしている。
好きだの惚れただのが面倒臭いという事もあったが、俺が自ら女との恋愛感情を拒絶している。
俺の中のトラウマ。
それは俺がまだ幼い頃駆け落ちした…
愛の中に生きようとした母親への荒んだ印象だった。
「愛なんてまっぴらって思っていたのにな…」
俺はショートホープを思いっきり肺に取り込み吐き出した。
俺の目に映る、公園で愛を語り合うカップルが白く曇る。