天使への判決
「リハビリの時間ですよ」
ノックもせず、突然ドアが開かれた。
ヤベ…
俺は慌ててタバコの火をもみ消す。
「コラァ!木山ァァ!またタバコ吸ってェェ!」
般若の様な表情をした鬼がツカツカとやってきた。
「ミキ婆…!」
「ミキ姉ちゃんと呼べェェ!!」
田子森婦長はカルテの角で俺の頭を叩いた。
「イッテエ〜」
頭を押さえる俺に田子森婦長は苦笑いしながら言った。
「木山さんもう、何回目ですか?タバコ注意されるの。
ヤクザだからって何でも許されるわけじゃないのよ。せめて病院のルールは守ってよね。」
隣ではヨウスケが、また笑い転げている。
「早くリハビリに専念して退院して欲しいもんだわ」
田子森婦長はそう言って大きなため息をついた。