天使への判決
何でリサは俺に直接言わねえんだろう…
毎日のように顔を合わせているのに…
「リサちゃんはああ見えて、恥ずかしがり屋なのよ。」
田子森婦長が俺の心を見透かしたかのように言った。
「それと…
アナタの心の中にある何かが、女性を奥手にさせるのかもね…」
さすが年の功。
田子森婦長は俺の心の中にある葛藤を既に見抜いていた。
「あなたが心を開かなければ、彼女も心を開かないでしょう。
相手の事を気にするあまり、相手の気持ちが見えなくなる事だってあるのよ。
まずは自分の事をちゃんと話す事ね。」
田子森婦長の言葉には説得力があった。
これだけ大きな病院の婦長だ。
きっと様々な人間関係を見て、いろいろな人間の恋愛相談に乗ってきたのだろう。