天使への判決
「さあ!今日が最後のリハビリよ!
明日には退院なんだから!」
田子森婦長は俺の肩を”ポン”と叩いて病室を後にした。
俺が心を開かなければ…
彼女も心を開かない…
しかし…
俺はしがないチンピラ…
俺がやっている仕事内容も過去も、誰かに全てを受け入れてもらうのはきっと容易な事ではない。
そんな事、俺が一番よく解っている。
だからこそリサが『俺の全てを知りたい』と言ってくれた時に全てを話すよ。
俺は卑怯な男だ。
俺は計算高い男だ。
だから不器用になってしまうんだ。
リサ…
いくら時間がかかろうとも、お前が俺から離れられなくなるまで待ってから…
全てを話すよ。