GRADUATION
「ごめんなさい、しし座のあなたは今日は12位です」



テレビから聞こえる声の主は、いつも聞きなれた朝のニュースの女子アナウンサーだっ


た。顔が小さく、肌にはニキビさえない、かわいらしいアナウンサーだ。


私は7月28日生まれのしし座なのである。


最下位と聞くとさすがに少しテンションが下がる。

「彩芽!あんたまだ食べてるの?早くしなさい、もう59分だよ!?」


「わかってるー。」



私の起床時間は7時30分くらいだ。


でも、目覚めがすっきり!な日はほとんどなく、いつもリビングに来ては、


朝食を目の前にして頭をコクコク揺らしている。




そんなこんなでいつも遅刻ぎりぎりになってしまっている。



「海ちゃんに電話しなさい!ったく、あんたは一人で学校行ってるんじゃないんだからね!」



朝からマシンガンのように一方的に言葉を発するのは私の母である。



母は私に怒り、


私は眠くて機嫌が悪く、


その私に母はもっと怒り、


私はその母のせいでもっと機嫌が悪くなる。



その悪循環の繰り返しである。



「大丈夫ー。間に合うから。」



朝食を食べてからの私は早い。


歯を磨いて、顔を洗って、コンタクトを入れて、制服に着替え、髪をとかして出発だ。



「よし!じゃあ、いってきまーす」


現在、8時13分


「いってらっしゃい」




―がちゃんっ




―がちゃっ!




「なに!?」



「へへ、時間割そろえんの忘れてた!」





「・・・・・彩芽ぇ!!!!!!」





母と私の言い争いはやはり耐えなかった。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop