この想いを君に…
2.ライバルは弟
「遅い!」

家に帰ると9時を過ぎていた。

玄関で弟、知樹が仁王立ちであたしとパパを睨む。

「はいはい…」

パパは知樹を無視して中に入る。

「むっちゃん!早く着替えろ!!」

「うるさい!外で待っとけ!!」

あたしは頬を膨らませて部屋に行く。

そして制服からトレーニング用の服…ジャージとも言う。

それに着替えて外に出る。

「ホントむっちゃんは遅いなあ」

知樹…いつか見てろよ!

そう思うんだけど。

一緒にトレーニングする仲間であり、レース仲間でもあり。



あたしの弟、妹は3歳下の三つ子。

上が知樹。

あたしと同じくサーキットで二輪のロードレースをしている。

ムカつく事ばかり言う、生意気な奴。



真ん中は泰樹。

元々、生まれた時も小さくてあまり体が丈夫じゃない。
喘息も最近になって出だして学校でも何度か倒れている。

泰樹はピアノとギターをしていて、中学1年なのにかなり上手い。

曲を結構作っていたり…

芸術家タイプ。



一番下は可愛い妹、桜。

新体操をしていて、あたしと違って線が細い!

しかも姉から見ても可愛いし…

パパとママの一番いいとこ取りをしたと思う。
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