この想いを君に…
「おめでとう!!」

二人が帰ってくるとチーム内は更に騒然とした。

雑誌取材の人達が来たり、それはもう大騒ぎで。

みんなが揉みくちゃにするのでなかなか総一の元へと行けない。

興奮も少し収まったところで睦海と知樹は総一の前に揃って並んだ。



「おめでとう」

足まで震えていた総一だけど。

なんとか堪えて二人を抱きしめた。

「パパー!」

睦海がようやく声を上げる。

身長が156センチの小柄な睦海は知樹を押しのけて総一に抱きつく。

「本当によくやったよ」

総一ももう一度、しっかりと抱きしめた。

「やっぱり、パパはむっちゃん命だ」

知樹が拗ねるように言うと総一は苦笑いして

「お前の事も大好きだよ」

右手で知樹の頭を撫でた。



若い二人はその後、揃って表彰台に立つと観客席から割れんばかりの拍手が送られた。
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