この想いを君に…

睦海 side

気がつけば。

1番でチェッカーを受けていた。

今までも違うレースで時々優勝はしていたけど、今回は全日本。

初めての事だった。

チェッカーを受けてスピードを落としてゆっくりとコースを走る。

知樹が俯きながら横に並んできた。

「おめでとう!」

知樹が叫んで拳を作ってみせる。

あたしも拳を作って知樹の拳に当てた。

チアホーンが鳴り響く。

あたしは観客席に向かって手を挙げた。
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