この想いを君に…
「女の子のライダーでもここまで出来るんだね」

表彰式が終わると色々取材をされていて、とある記者からふと言われた。

「ウチのチームでは女も男も関係ありませんから」

隣にいたパパが少しキレかけている。

子供には異性など関係なく教育をしているからそんな言い方をするとパパは怒る。

「練習も手伝いもみんな一緒です」

パパは冷酷な目をしてその記者を見つめた。

「ま、ウチのチームは性別は関係ないからな」

レース前の光さんが割って入った。

人がパドックに集まっているので少しイライラしている。

集中出来てないみたい。



「光さん、ごめん」

取材を終えてからあたしはマシンの前に座ってじっと前を見据えている光さんに声をかけた。

「いやいや、気にすんな。
俺もカチンと来たからさ」

光さんは笑っていた。





今からJSB1000の決勝。

あたしも緊張する。

どうか自分の持ってる力を発揮出来ますように。
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