この想いを君に…
「…そーちゃんには言ってるの?」

歩きながら祥太郎が聞いてきた。

「一応。喫茶店って言っといた」

「ふーん」

色々話していたらすぐに駅に着いた。

あたしが切符を買おうとしたら祥太郎が手を掴んで

「出しといてやるよ」

「…ありがとう」

切符を買ってもらった。

ホームで電車を待っていると

「まあ、無理しない程度に頑張れよ」

肩をポン、と叩かれて。

怒ったり、嫌がられると思っていたので意外だった。

「なんかさ、ああいう服を着ていると…」

祥太郎は照れ臭そうに笑って

「真由ちゃんに似てきたな、って思ったよ」

「ママに?」

あまり、ママに似ていると言われた事がないので驚くと

「うん、雰囲気がね。
少し前までは男と大差ないボーイッシュな子だったのに、少し見直した」

「どーいう意味?」

あたしは祥太郎の足に蹴りを入れた。
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