この想いを君に…
「ま…あそこで働いている事は黙っておくよ」

祥太郎はそう言ってホームに着いた電車に乗り込んだ。

あたしもその後ろに付いて乗り込む。

「言わないの?」

動き出した電車にバランスを崩しかけて思わず祥太郎の腕を掴む。

祥太郎もあたしを支えてくれた。

「言った所で…そーちゃんが心配するだけだし。
今の睦海はいろんな世界を見る事も必要だよ」

「祥太郎は?祥太郎もいろんな世界を見てきたの?」

あたしは一度、祥太郎に聞きたかった事がある。

パパや光さん、知樹の前では聞けなかった事が…

さりげなく、聞いてみよう。
< 171 / 503 >

この作品をシェア

pagetop