この想いを君に…
「門真さーん!」

体操服に着替えて外に出ると、同じクラスの泉南 理子(普段はみんなからリコって呼ばれている)が声を掛けてきた。

「頑張ってね!私、門真さんの走り方、体育で見てて好きだから」

「えっ?」

いきなりの事で驚く。

「だって…、女の子なのに動きも男の子みたいにカッコイイし」

リコは嬉しそうに笑った。

「ええ、そんな事、言われた事ないよ?」

あたしは苦笑いをした。

「周りの子はみんな言ってるよ!
門真さん、いつも平野くんや箕面さんと一緒にいるから…」



あっ…

そっか。

あたしの視野が狭いから…

周りがどうとか、全然見えていないんだ。

恥ずかしくなって俯いた。
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