この想いを君に…

「お疲れ様」

戻ってきた二人にあたしは笑って声をかけた。

「どーも」

悠斗も笑う。

「いつから、付き合ってるの？」

出来るだけ、笑顔を作る。

「んー…、応援団が結成されてすぐ、かなあ」

香奈が答えた。

悠斗は切なそうに俯いた。

「そっかぁ、良かったね」

頑張って、笑った。

「また二人で、デートついでにあたしのレース、見に来てね！」

『「うん！」』

俯いていた悠斗もようやく顔を上げて笑った。

あたしも笑って、手を上げて。

しばらく出番がないからあたしは一人、校舎に向かった。