この想いを君に…
「…大丈夫?」

お手洗いのドアが開いて同時に声が聞こえた。

振り返るとリコが心配そうにあたしを見つめて…

「うん、大丈夫」

笑ってみたけど、失敗した。

口元は笑っているのに。

目からはポロポロと涙が落ちた。

「門真さん、無理しちゃ、ダメだよ!」

リコはか細い腕で力いっぱい、あたしを抱きしめた。

「…ご、ゴメン」

それを言うのが精一杯。

後はリコの腕の中で泣いた。
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