この想いを君に…
「もっと体力つけんな、無理やで〜」

最近、光さんと一緒にトレーニングする事が多い。

光さんはいつも９時頃に仕事が終わるのでその頃を見計らってお店に行く。

あたしも学校が終わると週４くらいでメイド喫茶でバイトして８時くらいに上がるのでちょうどいい。

「どうしたらつくんだろ？」

「そうやなあ、サウナで筋トレとか…」

「それって貸し切りじゃないと無理じゃない、お金ないし」

ランニングをしながら話していたけど、あたしは半ば絶望感に襲われて、途中で歩き始めた。

先に走っていた光さんもあたしが歩き始めた事に気が付いて立ち止まり、振り返った。

「…俺、ワークスにいた時はよくそれをしてたよ。
確かに金はかかるね」

苦笑いをして光さんは空を見上げた。

闇の中に輝く星を見つめて

「家の風呂でも出来ない事はないよ。
湯舟に浸かりながらやろうと思えば出来るし」

そしてあたしの顔を見つめた。
< 215 / 503 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop