この想いを君に…

other side

「へえ、睦海がそんな事を…」

仕事中に所用で外に出た総一は光の見舞いにやって来た。

「うん、まさかそんな風に言われるとは思ってなかったから」

光は照れ臭そうに笑って呟いた。

「で、お前はどうしたい?」

今日はそれを確認しに来た。

総一はじっと光の目を見つめる。

「…まあ、頑張れば今年最後あたりのレースには間に合うかもしれんけど」

光はゆっくりと話始めた。

「来年…そこまで走りたい、というテンションがあるかどうか。
今季、もう走れないと言われた時点で俺のやる気は落ちてしまったから」

総一は俯き加減で光の話を聞いていたが

「じゃあ、来年、睦海や知樹の為に走ってあげてよ。
あの二人だけじゃ、まだまだだし。
それに、お前の走りを期待していた応援してくれる人達」

総一は一呼吸置いて

「みんな、新聞などでお前の怪我を知って、今日はお店、朝から電話なりっぱなしだよ」
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