この想いを君に…
「光さん、大阪に帰るの?」

その質問に光さんの表情は曇った。

「あたしも知樹も、光さんがいなくなるの、嫌だよ?」

光さんは俯いてしまった。

でも。

あたしはお構いなく続ける。

「あたし、まだ光さんに教えて貰ってない事、いっぱいある。
やっと一緒に走れると思ったのに、走れなくて。
永遠に光さんがレースで走れる所を見れないとか、今はまだ考えられない」

ああ、ダメだな、あたし。

最近、ママに顔が似てきたって言われるけど。

泣き虫な所も似てきたみたい。



頬を伝って涙が床に落ちた。
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