この想いを君に…
「あたしはパパのライディングも、祥太郎のも好きだけど、光さんのライディングも大好きだから」

涙で前が見えない。

「このまま引退なんて、納得いかないよ!」

そう言ってあたしは腕で涙を拭いた。

「もう一度、あたしに光さんの本気を、レースモードな光さんを見せてよ、全日本で」

立っていられなくなってあたしは椅子に腰を掛けて机に顔を埋めた。



しばらく、沈黙が広がっていた。
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