この想いを君に…
「むっちゃん、わかってる?
今度手を抜くような事をしたら許さないから!」

帰りの車でも、五月蝿い知樹。

「はいはい…」

あたしは返事するけど、上の空。

もう、相手にしてられないよ。



ふと、窓の外を見ると桜吹雪が舞っていた。

綺麗だな、と思う。

散っていくのは寂しいけれど、その中に美しさがある。



それを見ながらふと、考え込む。

知樹には負けたくない。

けれど、知樹は伸び盛りで、あたしが中学1年の時にはあんな風には走れなかった。

…追い越される怖さ。

それを考えるとすごく落ち込んでしまう。



思わずため息をついた。
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