この想いを君に…
第二ライダーと交代する前。

再びレーシングスーツに身を包んだ祥太郎がピット上のこのエリアにやって来た。

真っ先に梓ちゃんの元に行くと

「大丈夫か?」

その言葉に梓ちゃんは頷いて

「祥ちゃんこそ、暑いのに凄いね。
次も頑張ってね」



あたし。

何だか涙が出そうになった。

お互いが言葉には出さないのに。

気持ちを通い合わせている。

…ホント、なんで別れちゃったのよ。



こんなにお互い、好きなのに…



「おじちゃん、カッコイイね!」

翔くんが駆け寄ると祥太郎は翔くんを抱き上げて

「ありがとう」

少し、照れ臭そうに笑っていた。
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