この想いを君に…
「すごいね〜!」

翔くんとあたしは大勢のギャラリーの間にコソッ、と混じって一番前で見る。

それでも翔くんは身長が足りないので右手で翔くんを持ち上げ、左手に祥太郎のチームのフラッグを持って応援していると

「凄い力持ちね」

と周りから言われた。

…朝飯前なんだけど。

普通に毎日鍛えていたら、こんな事くらい、軽々出来る。

「本当におじちゃん、カッコイイね」

翔くんは祥太郎が目の前を通る度に目を輝かせる。

「おじちゃんがパパだったらいいのに」

俯き加減で呟いた翔くんの言葉にあたしは衝撃を受けた。

普通の子供は。

こんな事、言わないよね…?
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