この想いを君に…
「二人とも、本当に上を目指すなら、祥太郎のしている全てをその目に焼き付けておくんだよ」

パパが優しい目であたし達二人を見つめる。

「うん!」

知樹は目を輝かせる。

あたしも頷いた。



本当に凄い!

祥太郎は…天才でもあるけれど、状況を一瞬で判断する力も優れている。

あたしはまるで恋をするかのように祥太郎の走行をじっと見つめていた。

自分が目指すべき人、それは間違いなく祥太郎だ。



「ピットインしてくるよ」

パパの言葉通り、祥太郎がピットに入ってきた。

太陽は西に傾き始めている。

あと、残り3時間。
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