この想いを君に…
再び、祥太郎がマシンに乗る。



あと、2時間。



祥太郎は最後の2時間を一人で走る、と言う。

疲れも見せないでそう言う祥太郎はあたしにはわからない、何か覚悟しているような雰囲気を漂わせていた。

普段は変なオッサンだけど。

今日はカッコ良すぎる。



一刻、一刻と風景が変化していく。

あたし達はピットの上に上がってそこから最後を見る事にした。



上に上がると。

ママが翔くんを抱いていた。

疲れきったのか。

ママに抱かれてぐっすりと眠っている。

遊び疲れた泰樹と桜と…

智道、お前はしっかりとレースを見とけよ!と思ったけど、二人に振り回されたらしい。

3人はテーブルに顔を乗せて爆睡している。

梓ちゃんは。

祥太郎を走る姿をしっかりと見つめていた。
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