この想いを君に…
「祥太郎はあたしの憧れだよ、ライダーとしても、普通の人としても」

祥太郎は苦笑いをして

「俺なんかに憧れても仕方ないよ。
そーちゃんに憧れるならともかく」

「パパは永遠の彼氏だからまた別。
本当に昨日は、見ているあたしが泣きそうになったよ」

また、祥太郎は苦笑いをした。

「ま、その前の日にも色々あって…
もし、勝ったら絶対に梓には言おうって思ってたからさ」

「そう思って勝てるところが普通じゃないわよ!」

あたしは声を出して笑った。

祥太郎も確かに、と自分で言って笑った。

「お前は…誰か好きな人はいないの?」

突然の質問に目を丸くして祥太郎を見上げた。

「…いない。
悠斗にも彼女が出来たし…、今でも内心は複雑だけど。
また昨日の祥太郎を見ていたら早くそんな風に好きになってくれる人が出来たらいいなあって思うけどなかなか…」

「そっか…、いい人が出来たら絶対に知らせろよ」

そう言ってあたしの頭を撫でた。



どうも。

悠斗とのあの逃避行以来、色々心配してくれていたみたいで。

「うん、ありがと」

あたしは祥太郎に笑って頭を下げた。
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